明治天皇の皇女、泰宮聡子(やすのみやとしこ)内親王は久邇宮朝彦
(くにのみやあさひこ)親王の第9皇子で、新設の東久邇宮家の当主になった
稔彦(なるひこ)王と結婚された。実は、明治天皇のお3方の内親王は、それぞれ“新設”の宮家
(竹田宮・朝香宮・東久邇宮)に嫁いでおられる(他に周宮房子〔かねのみやふさこ〕
内親王は既存の北白川宮家に嫁がれた)。その事実から、それら3宮家の新設について、「客観的には(内親王の)嫁ぎ先
としての意味を持った」(小田部雄次氏)と指摘されている。その意味では、北朝の崇光(すこう)天皇以来の男系の血筋ではなく、
むしろ明治天皇の「皇女」との血縁の方を重視し、「(女系を介して)明治天皇の
玄孫」である、と誇らしげに自己紹介する人物がもし関係者の中にいたら、
些か皮肉ながら、それは歴史の実態に近いと言えよう(ちなみに竹田宮家の場合は、
初代が非嫡出だったから一層、当てはまるかも知れない)。それはともかく、被占領下に皇族の身分を離れた東久邇稔彦氏の4男に、
俊彦氏がおられる。
正真正銘の元皇族でいらっしゃる(かつて皇族だった時期がおあり)。
同氏は戦後、在サンパウロ総領事だった多羅間(たらま)鉄輔氏の未亡人、
キヌ氏の養子になり、ブラジルに移住された。平成20年に「日本人ブラジル移住百周年記念式」が開催され、
天皇陛下(当時は皇太子)がブラジルにお出ましになった時には、現地で
案内役を務められた。
同氏の1人息子は、祖父にちなみにアルフレッド稔彦と名付けられているそうだ。
但し、日本語は話せないとか。
だが、女系を介して紛れもなく「明治天皇の曾孫」でいらっしゃる。
この方に未婚の男子がおられるかどうか、私は知らない。
おられた場合はれっきとした「明治天皇の玄孫」だ。
旧宮家系男子が新たに皇籍を取得する際は、その人も(日本国籍を取りさえすれば)
対象になるのだろうか?
【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/
BLOGブログ
前の記事へ旧宮家の廃絶
「行啓」と「お成り」次の記事へ